新築マンションを購入する際は、補助金の活用によってお得に取得できる可能性があります。また、中古マンションを購入してリフォームする場合も、一定の工事において活用できる補助金が存在します。
今回はマンションに関する補助金制度の種類と、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
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1.マンションに関する補助金制度の特徴

マンションに関する補助金は、一戸建てと比べるとそれほど多くありません。一戸建てを新築する場合は、利用したい補助金の条件に合わせて施工プランを検討することもできるため、幅広い選択肢があるのが特徴です。
それに対して、マンションは先に建物全体の規格が決まっているため、補助金を使う場合は、利用したい条件に合った物件を選ぶこととなります。そのため、物件探しを行う段階で、補助金について必要な知識を持っておきたいところです。
国が扱うものだけでなく、自治体独自の補助金が設けられている可能性もあるため、くまなく情報収集を行いましょう。なお、マンションに関する補助金は、「購入時に使える補助金」と「中古マンション購入後のリフォーム時に使える補助金」の2種類に大別できます。
ここからは、購入時とリフォーム時のそれぞれについて、活用できる補助金の仕組みを見ていきましょう。
2.マンションの購入時に利用できる補助金

マンションの購入時に利用できる補助金制度には、「子育てグリーン住宅支援事業」と「給湯省エネ2025事業」の2種類があります。ここでは、それぞれの概要と条件について解説します。
2-1.子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業とは、快適な子育てと環境配慮の両立を可能にした住宅を取得する際に利用できる補助金です。2024年までの「子育てエコホーム支援事業」を引き継ぐ形で、2025年から新たに実施されています。
主な利用条件は以下の通りです。
- 住宅証明書など(登録住宅性能評価機関などの第三者機関から発行してもらう)で対象となる住宅の性能を証明できる
- 所有者(建築主)自らが居住する
- 住戸の床面積が50m2以上240m2以下である
- 住宅の立地が、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域など、立地などの除外要件に該当しない
- 新築(未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのない)であること
- 2026年1月末時点までに一定以上の工事が完了していること
- 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる
※出典:子育てグリーン住宅支援事業事務局「新築分譲住宅の購入」
また、子育てグリーン住宅支援事業では、住宅の性能によって3つの区分が設けられています。
2-1-1.ZEH水準住宅
子育て世帯だけに限らず、ZEH水準住宅や長期優良住宅の場合でも、住宅ローン減税などの税制上の優遇措置を受けることができます。ZEH(ゼッチ)とは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語であり、日本語では「エネルギー収支正味ゼロ」を目指した住宅を指します。
断熱性能のアップや高効率な設備導入などによる「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」により、居住するうえでのエネルギー収支をプラスマイナスゼロにするというのが基本的な考え方です。
また、具体的な基準としては、下記の全てに該当することが条件とされています。
- 断熱等性能等級:等級5以上
- 再生可能エネルギーを除く、一次エネルギー消費量削減率:20%以上
※一次エネルギー消費量等級が等級6以上であること
※出典:子育てグリーン住宅支援事業事務局「新築住宅の省エネ性能」
子育てグリーン住宅支援事業においては、ZEH水準を満たす新築マンションを購入する際、「40万円/戸」が補助される仕組みとなっています。ただし、利用できるのは子育て世帯・若者夫婦(夫婦のうちいずれかが39歳以下)、また子育て世帯は18歳未満の子を有する世帯のみなので注意が必要です。
2-1-2.長期優良住宅
長期優良住宅とは、長期にわたって快適かつ良好な状態で使用できるような条件が整った住まいのことです。具体的には、国が定めた「可変性(共同住宅・長屋のみ)」「居住環境」「耐震性」「省エネルギー性」「バリアフリー性」「住戸面積」「維持管理・更新の容易性」「劣化対策」「維持保全計画」といった9つの基準を満たした住宅を指します。
子育てグリーン住宅支援事業では、下記の全てに該当し、所管行政庁(都道府県、市区町村など)にて認定を受けた住宅を購入する場合に長期優良住宅として補助金が支給されます。
- 断熱等性能等級:等級5以上
- 一次エネルギー消費量等級:等級6以上
※出典:子育てグリーン住宅支援事業事務局「新築住宅の省エネ性能」
長期優良住宅の基準を満たした新築マンションを購入時には、ZEH基準よりも多い「80万円」が補助される仕組みとなっています。ただし、利用できるのは子育て世帯・若者夫婦(夫婦のうちいずれかが39歳以下)、また子育て世帯は18歳未満の子を有する世帯のみとなっているので注意が必要です。
2-1-3.GX志向型住宅
GX志向型住宅とは、「脱炭素志向型住宅」とも呼ばれており、ZEH基準を大きく上回る省エネ性能を持った新築住宅のことです。具体的には、以下の全てに該当する住宅を指します。
- 断熱等性能等級:等級6以上
- 再生可能エネルギーを除く、一次エネルギー消費量削減率:35%以上
- 再生可能エネルギーを含む、一次エネルギー消費量削減率:100%以上 ※立地により異なる
- 高度エネルギーマネジメントの導入:「ECHONET Lite AIF仕様」に対応する「コントローラ」として、一般社団法人エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されている製品を設置すること
※出典:子育てグリーン住宅支援事業事務局「新築住宅の省エネ性能」
GX志向型住宅の基準を満たす新築マンション購入時には、「160万円」が補助されます。また、ZEHや長期優良住宅と異なり、「子育て世帯に限らず全ての世帯が利用できる」のも大きな特徴です。
2-2.給湯省エネ2025事業
「給湯省エネ2025事業」とは、高効率の給湯器を導入する際に利用できる補助金です。新築だけでなく、中古マンションの購入時にも利用可能であり、給湯器の種類に応じて、「6~16万円/台」の補助が受けられます。
2-2-1.対象となる給湯設備
対象となる設備には、以下の3つが挙げられます。
- ヒートポンプ給湯機(エコキュート):補助額6万円/台
- ハイブリッド給湯機:補助額8万円/台
- 家庭用燃料電池(エネファーム):補助額16万円/台
さらに、それぞれの性能要件を満たすことで、補助額はさらに数万円程度加算される仕組みです。例えば、ヒートポンプ給湯機については、「インターネット接続可能であり、翌日の天気や気候に連動して、昼間の時間帯に沸き上げをシフトできる機能を持つ」ものであれば、「4万円/台」が加算されます。
また、「補助要件下限の機種と比べて5%以上CO2排出量が少ないものとして、一定の目標基準値を超える機器あるいは『おひさまエコキュート』」を導入する場合は、「6万円/台」が加算される仕組みです。さらに、上記2つの要件を満たせば、加算額は「7万円/台」になります。
このように、性能要件をクリアするかどうかによっても補助額は大きく変わるため、機器の性能についても詳しくチェックしておくとよいでしょう。
2-2-2.利用時の注意点
給湯省エネ2025事業は、子育てグリーン住宅支援事業をはじめとするその他の補助制度と併用できません。また、補助対象として指定されている製品以外のものでは利用できないため注意が必要です。
申請手続きについても、「登録事業者を通じた申請のみ」有効であり、DIYなどでのリフォームは認められません。そのため、まずは住宅省エネ支援事業の登録事業者を調べ、給湯設備交換の相談を行うのがスムーズです。
3.マンションのリフォーム時に活用できる補助金

住まい選びにおいては、中古マンションを購入してリフォームするのも有力な選択肢の一つです。ここでは、マンションのリフォーム時に使える補助金制度をご紹介します。
3-1.子育てグリーン住宅支援事業
先にもご紹介した「子育てグリーン住宅支援事業」は、マンションのリフォームにも活用できます。以下の工事内容のうち、少なくとも2つ以上を実施することで、最大60万円/戸(工事内容により最大40万円/戸)が補助される仕組みです。
- 開口部の断熱改修(内窓設置など)
- 壁や天井・床の断熱改修(最低使用量以上の断熱材を施工)
- エコ住宅設備(節水型トイレや高断熱浴槽など)の設置
※出典:子育てグリーン住宅支援事業事務局「事業概要」
なお、利用にあたっては、「登録事業者と工事請負契約を結び、代わりに交付申請などの手続きを行ってもらう」必要があります。
3-2.先進的窓リノベ2025事業
「先進的窓リノベ2025事業」とは、窓の断熱性能を高めて省エネ性を向上させる際に利用できる補助金です。対象となる工事内容は以下の4つです。
- 内窓設置:既存窓の内側に新たに内窓を設置する、または既存の内窓を交換する
- 外窓交換:既存窓のガラスや窓枠を外し、新たなガラスや窓枠を取り付ける
- ガラス交換:既存窓のガラスのみ外し、サッシはそのままにガラスを交換する
- ドア交換:既存ドアを交換する
※出典:先進的窓リノベ2025事業事務局「補助金の交付申請」
「補助率は1/2」、「補助額は最大200万円/戸」となっており、建物の立て方や対象製品の性能・サイズによって補助額が決まります。
3-2-1.利用時の注意点
マンションのような集合住宅において、窓は共用部分にあたるため、勝手にリフォームをすることはできません。リフォームの際には管理組合などの許可が必要であり、認められない可能性もあるので注意しましょう。
ただし、内窓設置のみであれば、外観などにそれほど大きな影響を与えないため、設置可能な場合もあります。また、先進的窓リノベ事業を利用するためには、登録事業者に工事をしてもらい、対象製品(メーカーが登録申請し、事務局が一定の性能を満たすことを認めた製品)を用いなければなりません。
そのため、ほかの補助金を利用する場合と同じように、まずは登録事業者を探して相談することから始めるとよいでしょう。
3-3.介護・バリアフリーリフォーム補助金
介護・リフォーム補助金とは、公的介護保険制度の一つです。要支援・要介護認定を受けた方が、ケアマネジャーに相談したうえで以下の住宅改修を行う際に、最大20万円が補助されるという仕組みです。
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止及び移動の円滑化などのための床又は通路面の材料の変更
- 引き戸などへの扉の取替え
- 洋式便器などへの便器の取替え
- その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
※出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」
申請の一般的な流れは以下の通りです。
- ケアマネジャーに相談する
- リフォームの施工会社と契約する
- 自治体に書類を提出する
- リフォーム工事
- 施工会社に工事費を支払う
- 自治体にリフォーム費用の支給を申請する
- リフォーム費用の一部が支給される
マンションでも利用できるため、バリアフリーリフォームを検討される際は活用を考えてみるとよいでしょう。
4.マンションで利用できる補助金の仕組みをチェックしておこう

マンションの購入・リフォームに利用できる補助金は、一戸建てと比べると数は少ないものの、幅広いケースに対応しています。特に住宅の省エネ性向上を後押しする工事には、補助金が用意されていることが多いため、事前に仕組みを確認しておくとよいでしょう。
また、リフォームに関する補助金のほとんどは、「登録事業者を通じた手続き」が必要です。まずは近くの登録事業者を調べ、リフォームのプランや補助金適用の有無を相談してみるとよいでしょう。マンションの補助金について気になり始めたら、「ちばの住まいコンシェルジュ」や東方地所へお気軽にお問い合わせください。