住宅ローンの選び方は?種類とポイントをファイナンシャルプランナーに聞きました

住宅ローンの選び方

住宅ローンは、金利のプランや返済方法、諸費用などを総合的に考えて、ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。

今回は、ファイナンシャルプランナーの岩永真理さんに、住宅ローンの選び方のポイントを伺いました。

1.住宅ローンの金利プランの種類と特徴は?

住宅ローンの選び方

ーーまずは住宅ローンの基本から教えてください。住宅ローンには、さまざまな金利プランがありますよね。どういった種類があるのでしょうか?

岩永:住宅ローンには、「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」という3種類の金利プランがあります。

1-1.変動金利型

ーー「変動金利型」の特徴と注意点から教えてください。

岩永:変動金利型は、借入期間中に金利が変動して、市場金利の影響を受けることが特徴です。2025年現在はまだ金利が上昇傾向にあるものの、低水準を維持しつつあるので、変動金利型を選ぶ人が多いようです。

ただ、長期間の借入の場合は、将来的に金利が上昇するリスクがあることには注意が必要です。

金融機関によっては、急激な金利上昇に対して、金利が変動しても毎月の返済額が5年間固定される「5年ルール」や、5年後の返済額の見直し時に毎月の返済額をそれまでの返済額に対して125%までしか上げられない「125%ルール」といった保護措置があります。

ですが、これは金利が上がった分を払わなくていい、ということではありません。返済額が急激に上がらないだけで、金利によって増加した返済額は後から調整されて支払うことになります。

1-2.全期間固定金利型

ーー「全期間固定金利型」の特徴と注意点は?

岩永:借入期間中はずっと金利が変わらないため、返済計画を立てやすく、総支払額も事前に計算できることがメリットです。

注意したいのは、借入時の金利で返済額が決まること。そのため将来、借入時よりも市場の金利が下がった場合は、総支払額が変動金利よりも多くなる可能性があります。金利が急激に下がるような局面では、借り換えを検討したほうがよいこともあります。

1-3.固定金利期間選択型

ーー「固定金利期間選択型」の特徴と注意点は?

岩永:2年、5年、10年といった一定期間において金利が固定され、その後は再度固定金利にするか、変動金利に移行できるのが特徴です。

たとえば、最初は固定金利で当面の金利上昇のリスクを防いで、固定期間の終了後は、世の中の状況次第で再度金利プランを選び直したいという人に適しています。その場合は、固定期間終了時点での金利水準の影響を受けることになります。

ただ、最初に選択した固定期間は後から変更できません。途中で変更する場合は、借り換えとなり、金融機関で再度審査を受ける必要がある点は注意が必要です。

2.どの金利プランがおすすめ?

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ーー金利プランが3つもあると、どう選べばいいのか悩んでしまいそうですね。どんな人にどのプランが向いていると言えそうですか?

岩永:一般的に「変動金利」は、固定金利に比べて借入当初は金利が低いことが多いので、借入額がもっとも大きい時期に金利負担を抑えられるのがメリットです。

逆に、「借入時は返済額が低くても、将来は高くなる可能性がある」ともいえます。ですので、将来の所得上昇が見込める方や貯蓄を活用して繰り上げ返済ができる方に適しています。

一方で今後、教育費などの大きな出費が続く方や貯蓄があまりない方、収入が安定していない方は、変動金利を選ぶと金利上昇で返済が厳しくなるリスクがあります。

そういった方は、返済額が読みやすい「全期間固定金利型」や出費がかさむ期間だけ返済額を安定させられる「固定金利期間選択型」を選ぶのがおすすめです。

3.住宅ローンの種類と特徴は?

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ーー前提として、金利プランの基本と特徴については理解しましたが、住宅ローンの融資をする組織もさまざまですよね。

岩永:はい。住宅ローンの融資をする機関や制度には、民間金融機関、公的制度、住宅金融支援機構があります。

3-1.民間金融機関のローン

ーー民間金融機関の住宅ローンは、比較的イメージしやすいですね。

岩永:都市銀行や地方銀行、信用金庫など、民間金融機関が融資する住宅ローンです。

収入額や収入の安定性、勤続年数など、借りる人の属性によって優遇金利の幅が異なるのが特徴です。また、商品の選択肢が多く、融通が利きやすいのもメリットといえます。

3-2.住宅金融支援機構の住宅ローン

ーー住宅金融支援機構の住宅ローンというと、「フラット35」は聞き馴染みがあります。

岩永:民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」が代表的です。ほかにも借入期間が15年以上20年以下の「フラット20」や借入期間が最長50年の「フラット50」などもあります。

フラット35をはじめとするこれらの住宅ローンは、金利プランが全期間固定金利のみである点が特徴です。また、親子で返済を引き継げる「親子リレーローン」もあります。

返済負担は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下と明確に決まっているのも特徴ですね。

3-3.公的制度のローン

ーー公的制度の住宅ローンについてはあまりイメージが湧かないのですが、どういう制度でしょうか。

岩永:「財形住宅融資」や「自治体融資」など、国の機構や自治体などから借りる住宅ローンです。

財形住宅融資は、一定の条件を満たす会社員が毎月の給料から積み立てる財形貯蓄を担保にして借りる住宅ローンで、会社から直接借りるパターンと、福利厚生制度を通じて借りるパターンがあります。自治体融資は、都道府県や市町村などの自治体が独自に融資を行う住宅ローンの仕組みです。

公的制度のローンは比較的低金利になる可能性がある点がメリットですが、会社や自治体によって利用条件が異なります。財形住宅融資は、借入金の上限が4,000万円までという制約もあります。

また、ネットでの申請がしにくいことや制約があること、財形住宅融資は金利プランが独特であること(全期間5年ごとに金利を見直す「5年固定金利制」)などあり、公的制度のローンを使っている人はあまり多くない印象です。

4.返済方法の種類と選び方は?

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ーー住宅ローンの返済方法にも種類がありますよね。

岩永:返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

4-1.元利均等返済

ーーまずは、「元利均等返済」について教えてください。

岩永:元金と利息を合わせた、毎月の返済額が一定となる返済方法です。たとえば、返済額を10万円とするなら、2万円が利息で8万円が元金などのように、10万円の中で元金に見合う利息とそれ以外を元金分に充てて返済します。返済が進んで元金残高が減るにつれて利息も減り、元金の割合が増えていきます。

4-2.元金均等返済

ーー「元金均等返済」はどういうものですか?

岩永:返済する元金の金額が一定となる返済方法です。たとえば、「元金10万円」を毎月返済する場合、金利がそこに上乗せされ、2万円の利息を払う月は12万円を支払います。最初は元利均等返済よりも月々の支払額が大きくなりますが、元金を多く支払っている分、利息が早く減少します。最終的に、総支払額は元利均等返済よりも少なくなるメリットがあるんです。

どちらも一長一短はありますが、当初の返済負担が大きくても総支払利息を抑えたい人は「元金均等返済」、毎月の返済額を一定にして家計をコントロールしたい人や借入当初の月々の返済額を少なくしたい人には、「元利均等返済」が向いています。

5.住宅ローンを選ぶ際のその他のポイントは?

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ーーその他、住宅ローンを選ぶ際のポイントはありますか?

岩永:借入金額や諸費用、団体信用生命保険、繰上返済の確認をしておくことがポイントです。

5-1.借入金額の確認

ーーそもそもいくら借りられるのかは重要ですよね。年収はもちろんですが、どんな要素で決まるのでしょうか。

岩永:借入可能額は、年収や返済負担率などで判断されます。借入額に加えて自己資金をある程度用意すれば、物件価格の予算を増やすことができるでしょう。

自分の年収でどれくらいの金額を借りられるか、金融機関のシミュレーションツールも参考にしてみてください。ただ、シミュレーションでは、借入可能額が多めに提示される傾向があります。もし借入できたとしても、それを実際に返せるかどうかは別問題です。

たとえば、80歳まで返済する想定で借入できたとしても、リタイア後の年金生活でそれまで同様に住宅ローンを返済するのは難しいはずです。できれば、返済負担率は年収の25%までに抑えて、60歳までに完済する計画を立てるのが理想的です。

5-2.諸費用の確認

ーー住宅ローンにおける諸費用とは、何を指すのでしょうか。

岩永:諸費用には、保証料や融資実行の手数料、登記費用、火災保険料、印紙税などがあります。

新築マンションの場合は一般的に仲介手数料がかかりませんが、中古マンションやデベロッパー、ハウスメーカーが直接販売していない新築戸建ての場合は、仲介手数料もかかります。

また、一定の要件を満たす中古住宅の不動産取得税の軽減措置は、築年数が古くなるほど控除金額が少なくなります。中古物件は新築よりも諸費用が高くなる傾向がある点は抑えておきましょう。

5-3.団体信用生命保険(団信)の確認

ーー団信は、住宅ローンを組む際に必ず入るものですよね。

岩永:はい。ほとんどの銀行では、団信への加入が求められます。例外として、フラット35は任意加入ですが、健康に不安がない方でも長期の借入の場合は加入したほうが安心です。

団信はバリエーションが豊富で、オプションをつければつけるだけ保険料が上がるため、すでに加入済みの生命保険や医療保険と内容が重複しないようにチェックしてみてください。

5-4.繰上返済の確認

ーー繰上返済については、確認が後回しになりがちですよね。

岩永:そうですよね。ですが、繰上返済を活用すると総支払額を減らせる可能性があるので、できれば活用したい仕組みです。

ただ、金融機関によって手数料の有無や手続きの方法などが異なるため、事前に確認しておきましょう。

6.金利だけでなく、さまざまな点を考慮して総合的に判断しよう

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住宅ローンと一口に言っても、金利プランの種類やどこから借りてどのように返済するかなど、考慮すべき点がさまざまあります。

それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、自分自身のライフスタイルや将来の予測をしつつ、シミュレーションなども活用しながら、総合的に判断しましょう。

ちばぎん「住宅ローンシミュレーション」

住まいのオンライン相談「ちばの住まいコンシェルジュ」

この記事の取材対象者
岩永真理
岩永真理
1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP®/住宅ローンアドバイザー/ロングステイアドバイザー
大手銀行に10年以上勤務し、海外赴任も経験。2010年以降はファイナンシャルプランナーとして個別相談や講師、執筆・監修などを行う。ライフプラン全般や老後を見据えた資産運用、住宅購入などが専門分野。

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