【要約・この記事の見どころ】
2026年(令和8年)以降の住宅ローン減税は、適用期限が2030年末まで延長され、子育て世帯や若者夫婦世帯への優遇が継続されるほか、省エネ性能の高い既存住宅(中古住宅)への支援拡充や床面積要件の見直しなど、住まいの購入を検討されているご夫婦にとって追い風となる改正が行われました。
本記事では、住宅ローン減税制度について「具体的にいくら税金が戻ってくるのか」「千葉で新築マンションを選ぶ際にどのような条件を満たせば最大の控除を受けられるのか」を分かりやすく解説します。専門用語の基礎知識から、初年度の確定申告の手順まで紹介しているため、資金計画づくりにぜひお役立てください。
住宅の購入を検討するとき、住宅ローン減税を利用できるかどうかは、資金計画を左右する重要なポイントです。2026年(令和8年)の制度改正では、適用期限が2030年末まで延長されるとともに、省エネ性能の高い既存住宅(中古住宅)への支援拡充や床面積要件の見直しが行われました。
一方、住宅の性能や区分、入居時期によって借入限度額や控除期間が異なるため、物件選びの段階から条件を確認しておく必要があります。本記事では、2026年以降の制度内容、具体的にいくら税金が安くなるのかのシミュレーション、申請手続きの進め方まで、わかりやすく解説します。
1.住宅ローン減税とは?基本の仕組みをわかりやすく解説

住宅ローン減税は、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した方が、一定の要件を満たした場合に所得税などの負担を軽減できる制度です。基本となる控除可能額は「年末時点の住宅ローン残高等に0.7%」を掛けて計算します。
所得税から控除しきれない額がある場合は、翌年度の個人住民税から、前年の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)まで差し引かれます。
1-1.【減税の仕組み】どこからお金が戻ってくる?
計算の基礎となる金額には、住宅の種類や省エネ性能に応じた「借入限度額」があり、本人が納める所得税・住民税の額も上限となります。
たとえば、計算上の控除額が「21万円」だとしても、ご自身がその年に納めている年間税額(所得税+住民税の控除上限)が「15万円」であれば、実際に減税されるのは「15万円」となります。残りの6万円が繰り越されたり現金で給付されたりするわけではないため、住宅ローンの借入額だけでなく、物件の性能、世帯区分、所得や納税額を踏まえて確認することが大切です。
関連記事はこちら
住宅ローンの選び方は?種類とポイントをファイナンシャルプランナーに聞きました
団体信用生命保険とは?千葉の新築マンション購入者が知るべき基本とメリット
2.2026年の住宅ローン減税はどう変わる?令和8年度税制改正のポイント

令和8年度税制改正では、住宅ローン減税の内容が一部更新されました。住宅ローン減税の適用期限を延長するだけでなく、既存住宅(中古住宅)の流通を後押しするための見直しや環境性能に応じた条件整理が行われました。主な変更点は次の通りです。
| 項目 | 改正の概要 |
| 適用期限 | 2030年12月31日までの入居分へ5年間延長 |
| 既存住宅 | 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅などの借入限度額と控除期間を拡大 |
| 子育て世帯等 | 省エネ性能の高い既存住宅にも借入限度額の上乗せを拡大 |
| 床面積 | 新築・既存住宅とも、一定の場合は40㎡以上へ緩和(所得1,000万円以下限定、子育て等上乗せ利用時は50㎡以上) |
| 2028年以降の規制 | 省エネ性能なしの新築や災害リスクの高い立地に関する対象外要件を追加 |
2-1.適用期限が2030年末まで5年間延長
住宅ローン減税の適用期限は、2030年(令和12年)12月31日まで5年間延長されました。原則として、2026年1月1日から2030年12月31日までに対象住宅に入居した方が、改正後の制度の対象となります。
ここで押さえておきたい重要ポイントは、住宅の売買契約日や住宅ローンの申込日・実行日ではなく、実際に居住を開始した「入居日」が適用時期を判断する基準になるということです。
具体的には、2029年の年末に完成予定の新築未完成マンションを購入し、引き渡しや引っ越しが遅れて2031年1月になってしまった場合、2026年~2030年の制度が受けられなくなる(または入居時点の新制度が適用される)リスクがあります。
完成時期や引き渡しが年をまたぐ場合は、どの年の制度が適用されるかが変わる可能性があるため、入居予定日を含めて資金計画を立てましょう。
2-2.省エネ性能の高い中古住宅への支援が拡充
2026年以降は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅やZEH水準省エネ住宅など、省エネ性能の高い既存住宅に対する支援が拡充されました。
【改正後の借入限度額と控除期間(一般世帯)】
- 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅:借入限度額 3,500万円:控除期間 13年間
- 省エネ基準適合住宅:借入限度額 2,000万円:控除期間 13年間
従来は、既存住宅の控除期間が原則10年間でしたが、今回の改正で13年間に延長されたため、性能の高い中古住宅を選ぶことで、新築住宅に近い減税効果を得やすくなりました。
中古マンションや中古戸建てを購入する場合、広告に「省エネ住宅」と記載されているだけでは、税制上の区分を判断できないことがあります。住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書など、控除に必要な証明書を取得できるか、売主や不動産会社に早い段階で確認することが重要です。
2-3.子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ措置が既存住宅にも拡大
19歳未満の扶養親族がいる「子育て世帯」、または夫婦のいずれかが40歳未満である「若者夫婦世帯」は、一定の省エネ住宅を取得すると一般世帯より高い借入限度額が適用されます。2026年の改正では、この上乗せ措置が省エネ性能の高い既存住宅にも拡大されました。
たとえば、既存の認定住宅・ZEH水準省エネ住宅では、一般世帯の限度額3,500万円に対し、子育て世帯等は4,500万円に引き上げられます。ただし、この上乗せ措置を適用する場合、住宅の床面積は登記簿上50㎡以上でなければなりません。
40㎡以上50㎡未満の住宅に対する「床面積緩和(所得1,000万円以下)」とは併用・選択関係になるため、40㎡台のコンパクトマンションを検討している方は注意が必要です。
2-4.床面積要件が原則40㎡以上に緩和
床面積要件は、一定の条件を満たせば「登記簿上40㎡以上」から住宅ローン減税を受けられます。「将来の家族増を見越して広めの3LDKを買う」だけでなく、「まずは駅近くの2LDK(40㎡台)のコンパクトな新築マンションを購入する」という夫婦二人暮らしの選択肢でも減税の恩恵が受けられます。
ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅で減税を受ける場合、控除を受ける年の合計所得金額は1,000万円以下であることが必要です。また、前述した「子育て世帯・若者夫婦の上乗せ優遇」を使う場合は「50㎡以上」が必要となる点にも注意しましょう。
さらに、床面積は広告表示の専有面積ではなく、原則として登記簿上の面積(※内法面積)で判定するため、購入前に登記事項証明書などで確認しましょう。
※内法面積(うちのりめんせき)とは部屋の壁や柱の内側から図った実際の床面積のこと。壁の厚みを含めないため、パンフレットに記載されている壁芯計算の面積よりも小さくなる。
2-5.2028年以降は「省エネ性能」や「災害リスク立地」に注意
2028年以降は、省エネ性能と立地に関する要件が段階的に厳しくなります。2028年1月1日以降に建築確認(建物の計画が法令に適合しているか着工前に審査を受けること)を受ける新築住宅のうち、省エネ基準適合住宅は原則として住宅ローン減税の対象外です。
ただし、2027年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または登記簿上の建築日が2028年6月30日以前の住宅には経過措置があり、借入限度額2,000万円・控除期間10年間の対象となります。認定住宅やZEH水準省エネ住宅は、引き続き対象です。
また、2028年以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」に新築する住宅は原則として対象外となります。建て替え、既存住宅の取得、リフォームは対象外要件の適用を受けません。
将来の税負担だけでなく、安全性や資産価値にも関わるため、土地や新築住宅を選ぶ際は、ハザードマップと区域指定を確認しておくことが大切です。
3.2026年の借入限度額・控除期間を住宅の種類別に比較

2026年入居分の主な借入限度額と控除期間の一覧です。控除率はいずれも0.7%になります。
| 住宅区分 | 住宅性能 | 一般世帯 | 子育て世帯 | 控除期間 |
| 新築・買取再販 | 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| 新築・買取再販 | ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 新築・買取再販 | 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | ※13年 |
| 新築・買取再販 | その他の住宅 | ※原則対象外 | ※原則対象外 | 経過措置10年 |
| 既存住宅 | 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 既存住宅 | 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| 既存住宅 | その他の住宅 | 2,000万円 | 上乗せなし | 10年 |
※子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せを適用する場合は、専有面積が50㎡以上必要です。
※2028年以降に建築確認を受ける新築の省エネ基準適合住宅は原則対象外です。2027年末までに建築確認を受けた場合、または2028年6月30日までに建築された場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年の経過措置があります。
※「その他の住宅」に該当する新築・買取再販住宅は原則対象外ですが、建築確認日・建築日などにより経過措置の対象となる場合があります。
実際の減税計算の対象となる金額は、「年末の住宅ローン残高」「住宅の取得対価(※補助金や住宅取得資金贈与の特例を受けた場合はその額を差し引いた金額)」「住宅性能に応じた借入限度額」の3つのうち、最も低い金額が採用されます。
たとえば、30代のご夫婦(若者夫婦)が、千葉エリアでZEH水準の新築マンションを購入し、4,500万円の住宅ローンを組んだ場合、最大4,500万円×0.7%=年間最大31.5万円が13年間にわたって減税計算の対象となります。
ただし、算出された控除可能額がそのまま全額厳禁で戻るわけではなく、実際に控除される金額はご本人のが納めている「所得税額」と「住民税の控除上限額」を超えません。表に記載された最大額は、すべての方が受け取れる金額ではなく、あくまで制度上の上限として捉えて資金計画を立てることが大切です。
4.住宅ローン減税を受けるための主な条件

住宅ローン減税を利用するためには、物件の性能だけでなく「購入する人」や「ローンの組み方」に関する複数の条件を満たす必要があります。主な条件を確認していきましょう。
4-1.申請者・住宅ローンに関する条件
- 年収(所得)制限:控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(給与収入で約2,200万円程度以下)であること
- ローンの返済期間:住宅ローンの返済期間が10年以上であること
控除を受ける年の合計所得金額は、原則として2,000万円以下であることが必要です。なお、床面積40㎡以上50㎡未満の住宅で床面積要件の緩和を受ける場合は、合計所得金額1,000万円以下に限られます。
ここでいう合計所得金額は給与収入そのものではなく、給与所得控除を差し引いた後の金額や、事業所得・不動産所得などを所定の方法で合計した金額を指します。住宅ローンは、返済期間が10年以上で、民間金融機関や住宅金融支援機構、勤務先など一定の借入先から借り入れる必要があります。親族や知人からの借り入れは、原則として対象になりません。また、親族や特別な関係にある方から住宅を購入・譲渡された場合や、贈与によって取得した場合も対象外です。
共働き夫婦で「ペアローン(夫婦それぞれがローンを契約すること)」を組む場合、夫婦二人ともがそれぞれ住宅ローン減税を受けられます。お互いの所得税・住民税からそれぞれ控除できるため、一人で大きなローンを組むよりも節税効果が高くなるケースが多く見られます。
4-2.入居時期・居住状況に関する条件
住宅を取得した日または工事が完了した日から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き居住していることが基本条件です。別荘や投資用住宅、親族だけが住む住宅は対象となりません。
店舗や事務所を併設する住宅の場合、床面積の2分の1以上を本人の居住用として使用している必要があります。また、単身赴任などの転勤ややむを得ない事情がある場合には、家族が引き続き居住しているか、再入居した時期はいつかなどによって取り扱いが異なります。
なお、住み替えに伴い現在の自宅(持ち家)を売却する場合、売却益に対する3,000万円の特別控除」などの譲渡所得の特例を利用すると、購入する新居で住宅ローン減税と併用できない場合があるので注意が必要です。住み替えを伴う場合は、売却と購入の税制を一体として確認することが重要です。
4-3.新築・中古住宅の性能や耐震性に関する条件
新築住宅では、省エネ性能の区分に応じて借入限度額が異なります。認定住宅では、「認定通知書」や「住宅用家屋証明書」、ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅では「住宅省エネルギー性能証明書」や「建設住宅性能評価書(写し)」など、性能を証明する書類が必要です。
新築物件の場合、通常は不動産会社や販売会社(デベロッパー)が引き渡し時までに用意してくれますが、発行費用や取得手続きのタイミングについて、契約前に担当者へ確認しておくと安心です。
一方、既存住宅(中古住宅)は、原則として「1982年1月1日以後に新築された住宅(新耐震基準)」、または「耐震基準適合証明書などにより現行の耐震基準への適合を証明できる住宅」が対象となります。
中古物件を検討する際は、広告上の専有面積ではなく登記面積(内法面積)を確認し、建築年、耐震性、省エネ性能の証明書の有無も確認します。築年数だけで自己判断せず、住宅ローン減税に必要な条件と証明書の発行可否については不動産会社へ具体的に確認することが大切です。
5.住宅ローン減税はいくら戻る?控除額をシミュレーション

住宅ローン減税の年間控除可能額は、基本的に「控除対象となる年末残高等×0.7%」で算出します。ここでは、年末残高3,000万円と5,000万円のケースを例に、上限の考え方を見ていきましょう。
実際の残高推移や納税額は借入条件・収入によって異なるため、以下はあくまで目安です。
5-1.年末残高3,000万円の場合
年末の住宅ローン残高3,000万円が、住宅の取得対価と借入限度額の範囲内であれば、その年の控除可能額は「3,000万円×0.7%=21万円」です。ただし、控除期間中(最大13年間)ずっと21万円が減税され続けるわけではありません。
毎月の返済によってローンの年末残高が減っていくため、控除可能額も年々少なくなります。たとえば、1年目の年末残高が3,000万円で、その後を「金利年1.5%、残り34年・元利均等返済(ボーナス返済なし)」で返済していくと仮定した場合の概算推移は、次の通りです。借入限度額は残高を上回っているものとします。
|
控除年 |
年末残高の目安 | 控除可能額の目安 |
|
1年目 |
約3,000万円 | 21万円 |
|
5年目 |
約2,721万円 |
約19万500円 |
| 10年目 | 約2,348万円 |
約16万4,400円 |
| 13年目 | 約2,111万円 |
約14万7,700円 |
※上記は概算値です。毎月返済、金利が一定であるものとして試算しています。実際の控除額を保証するものではありません。
また、控除可能額が21万円と算出されても、その年の所得税と住民税から控除できる上限枠の合計が15万円であれば、実際の減税額は最大15万円程度にとどまります。
控除しきれなかった差額(この場合は6万円)が翌年以降へ繰り越されたり、現金で給付されたりする制度ではありません。減税効果を見積もる際は、住宅ローンの残高推移だけでなく、自身の納税額(所得税額と住民税の控除上限額)もあわせて確認しましょう。
5-2.年末残高5,000万円の場合
認定長期優良住宅または、認定低炭素住宅を取得する子育て世帯・若者夫婦世帯で、借入限度額5,000万円が適用される場合、年末残高5,000万円に対する控除可能額は最大35万円です。一方、同じ認定住宅でも一般世帯の借入限度額は4,500万円であるため、年末残高が5,000万円あっても計算対象は4,500万円となり、年間の控除可能額は最大31万5,000円となります。
さらに、ZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅では借入限度額が異なります。借入額だけを見て控除額を判断せず、住宅性能と世帯区分を確認することが必要です。
なお、繰り上げ返済を行うと年末残高が減るため、その年以降の控除額も減少します。繰り上げ返済によって当初からの返済期間が10年未満となる場合は、住宅ローン減税を受けられなくなる可能性があるため、利息の軽減額と控除の減少額を比較して判断しましょう。
6.住宅ローン減税の申請方法と必要書類

住宅ローン減税は、自動的に適用される制度ではありません。初年度と2年目以降では手続きが異なるため、必要書類と提出時期を把握しておきましょう。
6-1.初年度は確定申告が必要
住宅ローン減税を初めて受ける年は、会社員であっても確定申告が必要です。
【必要書類の例】
- 確定申告書(スマホやパソコンからe-Taxで作成可能)
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高証明書(秋頃に銀行から届きます)
- 売買契約書のコピー
- 登記事項証明書(法務局で取得、または不動産番号の記載で省略可)
- 省エネ性能を証明する書類(建設住宅性能評価書など)
近年はマイナンバーカードを使ったインターネット申請(e-Tax)が普及しており、書類の添付を一部省略できる金融機関・手続きも増えています。
不動産番号を計算明細書に記載することで、登記事項証明書の添付を省略できる場合もあります。また、認定住宅では認定通知書など、ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅では住宅省エネルギー性能証明書など、中古住宅では耐震基準に適合することを示す書類が追加で必要になるケースがあるでしょう。
調書方式に対応する金融機関を利用している場合は、年末残高証明書の添付が不要になることがありますが、事前に金融機関に適用申請を行う必要があります。所得税の還付を受けるための申告は、通常の確定申告期間を待たず、翌年1月から提出できます。
書類の不足があると手続きに時間がかかるため、住宅の引き渡し後から計画的に準備すると安心です。
6-2.会社員は2年目以降に「年末調整」で手続き完了
給与所得者は、2年目以降、勤務先の年末調整で住宅ローン減税を受けられます。一般的には、税務署から交付される「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から交付される年末残高証明書を勤務先に提出します。
電子交付や調書方式を利用する場合は、提出方法が異なるので注意しましょう。年末調整の提出期限に間に合わなかった場合でも、確定申告によって控除を受けることは可能です。
転職した年、複数の勤務先から給与を受け取った年、医療費控除などで確定申告を行う年は、住宅ローン減税もあわせて申告します。書類の再発行には時間がかかる場合があるため、紛失しないよう保管しましょう。
7.住宅ローン減税に関するよくある質問

最後に、2026年以降の住宅ローン減税について、よくある質問に回答します。
Q.7-1.住宅ローン減税は2026年以降も利用できますか?
A.利用できます。令和8年度税制改正により、適用期限は2030年12月31日までの入居分へ延長されました。ただし、住宅の省エネ性能、床面積、所得、返済期間、入居時期などの要件を満たす必要があります。
特に2028年以降は、省エネ基準適合住宅の建築確認日や災害レッドゾーン内の新築住宅に関する要件に注意が必要です。
Q.7-2.住宅ローン減税は何年間受けられますか?
A.住宅の種類と性能によって異なります。2026年以降、新築・買取再販の認定住宅やZEH水準省エネ住宅などは原則13年間です。既存住宅も、認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅は13年間に拡充されました。一方、省エネ性能の区分に該当しない既存住宅などは10年間です。
Q.7-3.中古マンションでも住宅ローン減税を受けられますか?
A.一定の要件を満たせば利用できます。主な条件は、登記簿上の床面積、合計所得金額、10年以上の返済期間、入居時期、耐震基準への適合などです。認定住宅やZEH水準省エネ住宅などに該当する中古マンションは、借入限度額や控除期間の拡充対象となります。
購入前に性能証明書を取得できるか確認しましょう。
Q.7-4.40㎡台の住宅でも対象になりますか?
A.登記簿上の床面積が40㎡以上50㎡未満で、控除を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下などの条件を満たせば、対象となる可能性があります。ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の上乗せ措置を利用する場合は50㎡以上が必要です。
広告上の専有面積と登記面積が異なる場合がある点にも注意しておきましょう。
Q.7-5.繰り上げ返済をすると住宅ローン減税はどうなりますか?
A.繰り上げ返済によって年末残高が減るため、住宅ローン減税の控除可能額も減少します。また、期間短縮型の繰り上げ返済により、最初の返済日から最終返済日までの期間が10年未満となると、その年以降は控除を受けられない可能性があります。
手元資金、利息の軽減額、減税額を比較し、返済時期と金額を検討することが大切です。
8.住宅ローン減税のポイントを押さえて、しっかりと計画を立てよう

2026年以降の住宅ローン減税は、2030年末まで適用期限が延長され、省エネ性能の高い中古住宅への支援や床面積要件が拡充されました。一方、借入限度額と控除期間は住宅性能・世帯区分によって異なり、2028年以降は省エネ性能や立地に関する条件も厳しくなります。
住宅を購入する際は、物件価格や住宅ローン金利だけでなく、性能証明書の有無、入居予定日、登記面積まで確認したうえで資金計画を立てましょう。個別の適用可否は、税務署や税理士などの専門家にも確認することが重要です。
関連記事はこちら
住宅ローンの選び方は?種類とポイントをファイナンシャルプランナーに聞きました
団体信用生命保険とは?千葉の新築マンション購入者が知るべき基本とメリット